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胃がん

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治療

当院で行なっている主な治療法

内視鏡手術

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

保険適応

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

保険適応

外科手術

開腹手術
■定型手術
■縮小手術
■拡大手術
■姑息手術

保険適応

腹腔鏡下手術

保険適応

補助療法

化学療法

保険適応(一部適応外)

放射線治療

保険適応

使用ガイドライン

胃癌治療ガイドライン2004年4月改訂[第2版] 日本胃癌学会編

 

胃がん進行度別治療法の適応(※あくまでも一般的な流れの目安なので、個人差があります)ステージ分類

各治療の説明
内視鏡手術

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

胃の粘膜の下に生理食塩水(またはヒアルロン酸またはグリセオール)を注射し、腫瘍を持ち上げ、その後ポリペクトミーの手技によって腫瘍を焼き切る方法です。

適応

早期の胃がんの中でも、リンパ節に転移のある危険性のほとんどない場合に適用されます。

主な適用病期

ステージⅠA

メリット

体への負担が少ない。胃を温存できる。

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査→処置(入院1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

内視鏡手術

内視鏡的粘膜下剥離術(ESD)

特殊なメスで腫瘍周辺部にマークをつけた後、粘膜下層にヒアルロン酸またはグリセオールを注射し、持ち上げて、専用の電気メスを用い病変を剥離して取り除きます。

適応

早期の胃がんの中でも、リンパ節に転移のある危険性のほとんどない場合に適用されます。

主な適用病期

ステージⅠA

メリット

体への負担が少ない、かつ、胃を温存できる。EMRより確実かつ広範囲な病変を摘除できます。

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査→手術・入院(1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

内視鏡手術

外科手術

開腹手術

[定型手術]
胃の2/3以上の範囲の切除とD2郭清を行う方法で、多くの胃がんに現行も行われる手術方法であり、ガイドラインでは定型手術(普通の胃切除)と記載されております。

・幽門側胃切除術
胃の出口のほうを切除します。胃の中部または下部にがある場合に行なわれます。一般的に行われる方法です。

・噴門側胃切除術
胃の入り口のほうを切除します。胃上部の早期がんに対して行なわれます。

・胃全摘術
胃をすべて切除します。胃の上部進行がんや全体的に広がっている場合に行なわれます。

開腹手術


幽門側胃切除術/胃全摘術

主な適用病期

ステージⅠA、ⅠB、ⅡA、ⅡB、ⅢA、ⅢB、ⅢC

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査等→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察
他診療科及び他院紹介→外来受診(外科) 術前検査→手術・入院(1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

手術

[縮小手術]
定型手術にくらべてリンパ節の郭清範囲や、胃の切除範囲や周囲の臓器の切除範囲を縮小して行うことができる、胃の手術の負担や手術後の障害を軽減することができる手術方法です。

主な適用病期

ステージⅠA

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察
他診療科及び他院紹介→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

手術

[拡大手術]
胃以外の他臓器(膵臓、脾臓や大腸、肝臓の一部など)を合併して切除したり、取り除くリンパ節の範囲を広げたりして、定型的に行われている手術の範囲を超えて行う手術です。
胃がんが膵臓などの周りの臓器に直接浸潤していて、合併切除をしないと胃がんが取りきれない場合やリンパ節転移の範囲が遠くまで及んでいる場合に行います。

主な適用病期

ステージⅢA、ⅢB、ⅢC

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察
他診療科及び他院紹介→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

手術

[姑息手術]
姑息手術は胃がんを治す目的ではなく、胃がんによる症状を軽減する緩和手術と、少しでもがんの量を減らす減量手術を目的として行われます。

・緩和手術
患者さんの生活の質を改善することが期待できます。
Ex.バイパス手術
・減量手術
がんの量をできるだけ少なくして、後の化学療法の効果を挙げることが期待できます。

主な適用病期

ステージⅣ

治療方法区分

手術

腹腔鏡下手術

腹部に小さい穴を数ヵ所開けて、専用のカメラや器具で手術を行う方法です。通常の、開腹手術に比べて、手術による体への負担が少なく、手術後の回復が早いため、手術件数は増加しています。開腹手術と比べて、技術的難易度が高いため、胃がんに対する腹腔鏡下手術件数は全体としてはまだ少ないのが現状です。当院では1998年より施行しております。

主な適用病期

ステージⅠA

治療
スケジュール

外来受診(消化器内科)→内視鏡検査→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察
他診療科及び他院紹介→外来受診(外科) →手術・入院(1~2週間程度)→経過観察

治療方法区分

腹腔鏡手術

合併症について

[内視鏡手術治療による合併症について]
内視鏡治療の際、大量の電流が流れると胃に穴が開く場合(穿孔)があります。また、腫瘍を焼き切った場合、切った部分から出血を起こすことがあります。
当院のESDにおける合併症の発生状況は穿孔4%、後発出血3%、後発穿孔0%です。

合併症への対応
・出血した場合、出血している部分を焼いたり、クリップで挟んだりして止血します。
・胃に穴が開いた場合、開いた場所をクリップで挟むことでほとんど治りますが、まれに手術が必要な場合があります。

[術後合併症について]
術後には望まない不都合な状況が発生することがあります。これを合併症といいます。
胃がん手術は胃の切除(全部または一部)、リンパ節郭清、消化管再建(消化管をつなぎ合わせて術後食事ができるようにすること)の三つの操作から成り立っています。
術後合併症はこれらの手術と直接関係して発生する外科的合併症と、操作と直接関係なく発生する心臓病、肝機能障害などの一般的な合併症があります。

[胃がんの手術と直結した合併症]
胃がん手術後の3大合併症として
・消化管のつなぎ目が漏れる縫合不全
・リンパ節郭清で広範な操作を受ける膵臓に生じる膵液瘻(膵臓の消化液が膵臓の切離面や膵臓の実質から漏れて、たまりを作るもの)
・腹腔内膿瘍
が上げられています。

縫合不全も膵液瘻も大半の場合は感染を伴いますので、お腹の中に膿の塊を作ります。これを腹腔内膿瘍といいます。ですから、多くの場合は三つの内の少なくとも二つが同時に発生します。これ以外に腸閉塞、創感染などがあります。

[胃がんの手術と直接関係のない全身合併症]
手術操作とは直接関係しませんが、死亡に結びつきかねない合併症として、肺炎、肺塞栓症があります。肺炎は上腹部の手術では腹式呼吸への影響が出やすく、数%の率で発生します。ことに高齢者では注意が必要です。肺塞栓は手術中に下肢の静脈中に生じた血栓が歩行を開始した時などに血管壁から外れ、心臓そして肺へ流れ、肺動脈が詰まってしまうことが原因で生じます。周術期に投与された薬剤で生じる肝機能障害などもあります。

[手術による後遺症について]
術後、胃を切除または摘出したことにより胃の機能が失われてしまいます。そこで、切除後の後遺症に対する治療および生活指導と、胃全摘後の大球性巨赤芽球性貧血など術後障害に対しては適切な治療や予防が必要となります。

腸閉塞

手術した後、お腹の中で腸があちこちにくっつき、腸の流れが閉ざされて、便やガスが出なくなってしまう癒着を起こしやすい状況にあります。
癒着により腸が急カーブしたり、せまくなってしまうことがあります。そこに食べ物がつまると、便もガスも出なくなります。また、ときには腸がねじれて、腸の流れが閉ざされてしまうこともあります。
多くの場合には、絶食していると自然に治るのですが、ときには癒着を剥がしたり、ねじれを治すために手術が必要な場合があります。腸がねじれて、腸を栄養する血管まで締めつけられると、時間とともに腸が壊死(腸管の細胞が死滅してしまうこと)して、腸に穴が開いたりして大変危険です。吐気や嘔吐に加えて痛みが強い場合には、必ず担当医にご相談ください。

ダンピング症候群

胃の切除後は、今まで胃の中で攪拌(かくはん)されて少しずつ腸に移動していた食物が、一度に急に腸に流れ込む状態になるために起きる不愉快な症状のことをいいます。ダンピングには食事中から食後30分以内に発現する動悸、発汗、めまい、眠気、腹鳴(おなかがごろごろはげしく鳴ること)、脱力感、顔面紅潮や蒼白、下痢などが起こる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間のころに突然脱力感、冷汗、倦怠感(けんたいかん)、集中力の途絶、めまい、手や指の震え、まれですが、ひどい場合は意識が遠のくような症状が起こる後期(晩期)ダンピング症候群があります。

貧血

胃を切除すると貧血が起こります。その主な原因は、鉄分とビタミンB12の不足です。胃の切除により、鉄分やビタミンB12が吸収されにくくなるために起こります。
また、胃全摘後にはビタミンB12の吸収ができなくなります。そのため体内のビタミンB12の蓄積がなくなった時(手術後4~5年目以降)から、ビタミンB12の注射による定期的な補充が必要になります。
血液検査を定期的におこない、不足していないかチェックする必要があります。

骨粗しょう症

胃の手術をおこなうことにより、カルシウムの吸収が悪くなることから骨内のカルシウムが減少し、骨が弱くなりやすい状態になります。
そのため、普段からのカルシウムの摂取を心がけるだけでなく、定期的に骨のカルシウムの濃度(骨塩量)を測定し、必要であればカルシウムや、ビタミンDの投与をおこなう必要があります。

逆流性食道炎

手術によって胃の入口(噴門)の逆流防止の機能が損なわたため、術後に腸液(苦い水)や胃液(酸っぱい水)が口のほうへ上がってきたり、胸やけなどの症状が見られることがあります。特に胃全摘や、噴門側胃切除の術後に多く見られます。
こうした症状がある場合、上半身を20度くらい高くして寝るとよいのですが、病状に応じて粘膜保護剤、制酸剤、酵素阻害薬(有害な酵素作用を止める)などさまざまな薬を投与する場合があります。

胃手術後胆石症

胃を手術した際に、胆嚢の神経が切れてしまう場合があります。そのために胆嚢の動きが悪くなり、あとで胆嚢に炎症を起こしたり、胆嚢内に結石ができることがあります。症状が強い場合には手術が必要になり、広い範囲のリンパ節を郭清して,胆嚢の神経が完全に切れた時には(予防的に)胆嚢を切除することもあります。
なお、胆嚢は胆汁を溜める臓器であり、胆汁自体は肝臓で作られているので胆嚢を切除しても大きな障害はありません。

小胃症状

胃を切除したことにより胃が小さくなり、あるいは全摘によりなくなったことから起こるすべての症状を小胃症状といいます。単に胃が小さくなったことによって、食事が少ししか入らない、あるいは、すぐにお腹が一杯になるといった症状は最も一般的な小胃症状であり、手術を受けられたほとんどの方が経験される症状です。患者さんの中には、再び、胃が生えてくる、あるいは残った胃が大きくなると思っておられる方がおられますが、そのようなことはなく、単に、お腹の環境が新しい状況に順応してゆくにすぎません。したがって、少しでも早く、お腹を順応させてやることが大切になります。そのためには、食事のとり方が大切です。

[化学療法]

適応

化学療法は以下の4つの治療に対して行います
・転移・再発に対する治療
・術後再発予防としての治療
・術前投与としての治療
・手術が行えない場合の治療(進行発生症例など)

主な適用病期

ステージⅡA~Ⅳ

治療方法区分

化学療法

※抗がん剤の種類と使用方法について
胃がんに使用される抗がん剤は注射(点滴)薬と内服(経口)薬があります。
抗がん剤は一種類のみで使用されることもありますが、複数の薬を組み合わせる方法(併用療法)もあり、治療内容によって異なります

 

商品名

一般名

特徴

経口(内服)

ティーエスワンカプセル

テガフール/ギメラシル/オテラシルカリウム

テガフールの効果を増強する成分(ギメラシル)と副作用を防ぐ成分(オテラシルカリウム)を含む

静脈注射
(注射)

シスプラメルク

シスプラチン

腎臓の機能が弱い人には使用できない
シスプラチン点滴前と後に数リットルの水分を点滴することで腎臓を保護する

タキソール

パクリタキセルン

アルコールが含まれるのでアルコールにアレルギーがある人には使用できない

タキソテール

ドセタキセル

セイヨウイチイの葉から抽出された成分から開発された

トポテシン

イリノテカン

重篤な下痢をおこすことがあるので、下痢による脱水に注意が必要

5-FU

フルオロウラシル

1960年代から使用されている薬剤
下痢や口内炎がおこりやすい。

ハーセプチン

トラスツヅマブ

毎週もしくは3週毎に点滴する治療法があります。また、「TCH」という治療法に使用されます。主な副作用はインフュージョンリアクションといって、点滴してから24時間以内(通常は点滴開始直後や点滴中)に起こる発熱や悪寒といった症状があります。


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