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治療

当院での肝がんの治療方法は、大きく分けて経皮的穿刺による局所療法(ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法)、肝動脈化学塞栓術、外科療法の3種類です。この他に、一部、放射線療法を行なっております。
全身化学療法は、一般に肝臓外に転移した場合に行なわれておりますが、肝がんでは、効果は小さく副作用は大きい為、あまり行なわれておりません。
患者さまのがんの進行度と肝機能の状況により治療方法を選択しております。

使用ガイドライン

肝癌診療ガイドライン2005年度版

当院で行なっている主な治療法

経皮的局所療法 経皮的エタノール注入療法 (PEI) 保険適応
ラジオ波焼灼療法(RFA) 保険適応
肝動脈塞栓術 肝動脈塞栓療法(TAE) 保険適応
肝動脈化学塞栓療法(TACE) 保険適応
肝動脈内動注化学療法 肝動脈内動注化学療法(TAI) 保険適応
併用療法 TAE+PEI or RFA 保険適応
TAE+放射線療法 保険適応
TACE+放射線療法 保険適応
手術 肝切除術 保険適応

肝細胞がん治療の主な選択基準

1.経皮的局所療法

@経皮的エタノール注入療法(percutaneous ethanol injection :PEI)

早期に診断された肝細胞がんに対し 肝機能をできるだけ温存しつつ治療できる適応の広い治療方法です。超音波映像下での穿刺により迅速な蛋白凝固作用をもつエタノールを腫瘍内に注入することにより、選択的に腫瘍を壊死させる局所療法です。この治療法は腫瘍内およびその周辺のがんに限局して、エタノールを注入し、数回の施行で済む為、肝機能に及ぼす影響が比較的少なく、重篤な肝不全例をのぞいた大多数の症例に適応が可能です。

適応 一般的に適応の決定に際しては、 腫瘍の大きさ・腫瘍数・脈管浸潤の有無・腫瘍の進展度および肝臓の障害度等を考慮します

◎PEI単独で行なう場合の条件
@ 最大3cm以下
※径が3cmを超えるものは、被膜外にがんの浸潤が見られるケースが多く、エタノールの注入量・注入回数が増える為、効率が悪く完全に壊死させることが困難となります。
A 3病巣以内
B 脈管浸潤がない
C その他
・超音波で腫瘍全体が確認できること
・重篤な肝機能障害(難治性の腹水・高度黄疸等)がないこと
メリット ・穿刺による治療が可能なため、患者さまの身体的負担が少ない
・肝機能に及ぼす影響が少ない
治療スケジュール
・治療期間 入院 約3週間(検査含め)
・治療回数 週2回:計2〜4回
※1回実施後3〜4日開ける
・エタノール注入量 1病変あたり3ml前後/回 1回最大10mlまで。
 

Aラジオ波焼灼療法 Radiofrequency ablation:RFA

RFAはマイクロ波よりも周波数の低いラジオ波(460-480 KHz)を用いて、腫瘍組織内に熱を発生させ、凝固する方法です。電気メスと同じ原理で、発生する熱によりがん細胞及び周囲肝組織を熱凝固壊死させます。現在、電極はHook typeとCool tip typeの2種類があり、病変の形状および存在部位に応じて使い分けています。

適応 @ 3cm以下  単発では最大5cm以下
A 病巣以内
B 血管浸潤がない
C その他
・超音波で腫瘍全体が確認できる腫瘍であること
・重篤な肝機能障害(難治性の腹水・高度黄疸等)下ではないこと
・3cm以上ではTAE又はPEIを併用する
メリット

・通常1回の治療でできる。
・肝機能に及ぼす影響が少ない。

治療スケジュール
・治療期間 入院 約3週間(検査含め)
・治療回数

計1回  
※TEA併用の場合はTEA実施後1週間あける

・穿刺回数 1日に通常1回
・ラジオ波照射時間 3cmの腫瘍で約10分

2.肝動脈塞栓療法・肝動脈化学塞栓療法

肝動脈塞栓療法(TAE)及び肝動脈化学塞栓療法(TACE)は、がん細胞(腫瘍)に栄養を提供している肝動脈に塞栓物質を注入し、栄養動脈を閉塞することにより、選択的に肝細胞がんを壊死に導く方法です。肝臓にできるがん細胞が動脈血で栄養を供給されていることを利用した、がん細胞をいわゆる兵糧攻めにする治療法です。肝臓の動脈までカテーテルを挿入し、そこに塞栓物を注入します。肝動脈化学塞栓療法(TACE)の場合は、塞栓物質(リピオドール)に抗がん剤(塩酸エピルビシン,マイトマイシンC,シスプラチン 等)を混ぜて肝動脈に挿入します。経皮的局所療法や切除手術とならび、肝がんの3大治療法の一つです。

通常腫瘍の大きさが3cm〜5cm程度で病変数が3個以内の場合、はじめにTAE・TACEを実施し、その後、PEI(エタノール注入療法)もしくはRFA(ラジオ波焼灼療法)と併用する方法で治療いたします。
適応 肝動脈塞栓療法 肝動脈化学塞栓療法
@ 3cm〜5cm以内の場合で、多発病変。
A 門脈本幹又は一次分枝が閉塞していないこと。
※がん組織が動脈血のみから栄養供給されるが、非がん部肝組織は門脈からも栄養の供給をうける。
門脈が閉塞していると非がん部肝組織まで壊死してしまう為。
※あくまでも原則で個人差がありますので、他の条件で不可能な場合もございます。
メリット

・一度に複数の腫瘍を壊死させることができる。

治療スケジュール
・治療スタイル 入院 2〜3週間(合併症の検査含め)
・手術回数 計1回
・カテーテル実施回数 1回

3.肝動脈内動注化学療法(TAI)

がん細胞に栄養している動脈に対して、直接抗癌剤を投与する方法です。
メリット

抗がん剤を高濃度で投与することができ、対象の腫瘍に長時間抗がん剤を停滞させることができる為、全身投与と比較し、効果が大きくなります。

4.手術 肝切除術

がん細胞をもっとも確実に取り除くことができます。通常、肝機能障害が軽度で、肝硬変等の合併のない腫瘍が適応となります。
適応

@肝機能障害が軽度
A腫瘍数は原則として単発
※局所療法と比較検討し温存可能な方法を選択
※詳細は外科画面に掲載

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